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100年に1度のチャンス -18 . はてなブックマーク  Twitter   2009-02-17

 これまで17回にわたって長々と、「100年に1度の危機」なるものの実態について分析してきました。その結果、
  1. 「100年に1度の危機」は、為(ため)にする(ためにする。自分に都合の良いように事を運ぼうとしたり、相手を攪乱させようと思ったりするような下心を持って、それを行う。-新明解国語辞典)キャッチフレーズにすぎないもので、大げさに騒ぐほどのことではないこと、
  2. 現時点で表面化している各方面のトラブルとか矛盾は、ひとつは小泉「改革」の失政によるものであり、いまひとつは、それぞれの企業の経営戦略の失敗によるものであること、
  3. 従って、麻生総理が「100年に1度の危機」を連発しているのは、自民党政権の失策をカムフラージュするためであり、トヨタ・日産をはじめとする製造業や、百貨店・スーパーの経営者が、業績不振の理由として金融危機による景気悪化とか円高を持ち出しているのは、経営戦略の失敗をカムフラージュするためであること、
を明らかにしました。
 
 「100年に1度のチャンス」という表題を掲げながら、現在の日本が置かれている状況の分析に多くのスペースを割いたのは、決して結論を先のばしにするためではありません。
 何らかの判断を迫られたときに肝要なことは、現在の状況を適確に把握すること、しかも可能な限り合理的な根拠となりうる計数によって把握することです。客観的に検証のできる、生(なま)の数字による現状把握ということです。これこそ、5年前に突然思いついて、それ以後具体的な事例にあたって実践してきた「認知会計」の基本であり、スタートです。
 客観的な現状把握がキチンと出来さえすれば、後は難しいことではありません。いくつかの選択肢の中から、比較考量(こうりょう。あれこれ考え合わせて判断すること、-新明解国語辞典)して結論を出せばいいからです。私は、正しい現状把握あるいは現状認識こそ問題解決全体の90%以上を占める極めて重要なものと考えています。

 私達日本人は、1868年の明治維新以来、欧米・先進国の仲間入りをするために、欧米諸国から多くの教えを受けて近代化を図ってきました。
 追いつき追い越せ、とばかりに遮二無二(しゃにむに)近代化の道を走り続け、その結果いつの間にか目標としていた先進諸国に追いつき、追い越してしまっていました。かなり前から、日本が目標、あるいは模範とすべき国がなくなっていたのです。そのような状況のもとで、目標とすべきではない国の妄言(もうげん。事実・論理に合わない、むちゃな言葉、-新明解国語辞典)に追従し、その国に言われるがままの施策に盲従(もうじゅう。いい悪いの区別なく、ただ相手の言う通りになること、-同上)してきた結果が、今回の金融危機に端を発する一連のドタバタ騒動です。

 これまで一貫して目指した日本の近代化は、工業立国の道であり、貿易立国の道でした。その結果、かつては「安かろう、悪かろう」といった粗悪品の代名詞であった“メイド・イン・ジャパン”(日本製)が、今では輝くばかりの高級ブランドとなりました。また、懸命に働いてきて、気がついてみたら、世界でも最も豊かな国の一つになっていました。巷には商品が溢れるばかりですし、食糧事情にしても世界中から買いあさり、メタボが心配になるほど飽食の状態です。
 このように、日本の近代化は経済的に豊かな国になることを大きな目標にして突き進み、その限りでは目標を達成したのですから、成功したといえるでしょう。世界からエコノミック・アニマル(経済を第一義とする動物、-広辞苑)と揶揄(やゆ)されながら稼いできた結果です。
 その一方、農業、林業、水産業といった第一次産業が軽視され続けてきました。食料生産に適した国でありながら、食料自給率は40%の水準にまで低下し、四方を海で囲まれていながら、魚の40%前後を外国からの輸入に依存しています。また、森林率(国土面積に占める森林面積の割合)が7割と、フィンランドに次ぐ世界第二位の森林国でありながら、外材に頼るあまり(木材自給率は2割です)日本の山林は放置されて荒廃しています。これらは全て、これまでの第一次産業に対する国の施策の方向性に誤りがあったことに加えて、コストが安いという経済性を追求した結果です。

 しかし、経済一辺倒でやってきたヒズミが、各方面で表面化してきました。今回の金融危機もその一つです。かつては一億総中流といわれたほど、格差の少ない社会であったのが、現在は様変りです。勝ち組と負け組の格差、地方と都会の格差、生活困窮者をはじめとする社会的弱者に対する冷遇、これらはひたすら豊かさを求め続けてきた日本の負の側面であり、代償です。
 また、日本は世界でも類を見ないほど、安心安全な国とされてきたのですが、このところ殺伐とした出来事が目につくようになりました。自らの目標を持つことのできない若者が多くなっているのも気がかりです。
  1. 工業立国
  2. 貿易立国
  3. 大量消費
  4. 食料輸入
 思いつくだけでも4つのキーワードが浮かんでくるのですが、これらは日本経済が発展していくためには絶対に必要な大前提とされてきました。これらのことについてその当否を十分に吟味することなしに、当然の前提として扱ってきたのです。果して、それでいいのでしょうか。私は根本的に見直すべき時期にきていると考えます。
(この項つづく)

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。
“怖いのは 水買うことに 慣れたこと” -国分寺、玉川くらげ。
(毎日新聞、平成21年1月20日号より)

(日本は世界で最も水の豊かな国の一つ。飲用にできる水道が普及しているのに、高いお金を出してペットボトルを買い求める人はよほどお金が余っているのでしょうね。)

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