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粉飾された2兆円 -5 . はてなブックマーク  Twitter   2008-05-20

 これまで私達地域住民は、大橋川改修工事について国交省から説明を受け、何度となく話し合いをしてきました。実際に話し合いをしてみて痛感するのは、双方の話がスレ違い、全くかみ合わないことです。いくら私達地域住民の立場を理解してもらおうと思って話し合いに臨んでもノレンに腕押し、国交省側としたら単に「聞くおく」といった程度です。

 何故話がうまくかみ合わないのか、地域社会を本当に良くしようということに焦点を合せて何故前向きの話ができないのか、不思議でなりませんでした。今改めてその原因を考えてみますと、2つのことが浮んできます。
 一つは、役人のお上(かみ)意識です。昔と違って言葉づかいこそ丁寧になっていますが、根底に流れている意識は変っていないようです。『寄らしむべし、知らしむべからず』、自らを一般大衆より一段と高いところに置き、いわば統治者として君臨しているかのようです。
 戦後、日本国憲法が新たに制定され、建前(たてまえ)としては役人は全て公務員として国民に奉仕する者とされてはいるのですが、実態はさにあらず。国民主権ではなく、官僚(役人のことです)主権が堂々とまかり通っています。まるで、
「お上(かみ)の考え出したことに誤りはない。一般の国民は黙って従っていればよい。」
と言わんばかりの態度なのです。公僕としてはあるまじき驕(おごり)です。
 二つは、大橋川というものに対する認識の違いです。地域住民が大橋川に対してどのように考えているのかについては、前回前々回で詳しく述べたところです。
 これに対して、国交省は全く違った考え方をしているようです。川というのは、大雨が降って洪水が起こったとき、できるだけ早く海の方に水を流しだす役割のもの、つまり、排水機能を持ったもので、それ以上のものではないという考えです。
 平成9年の河川法の改正によって、従来の治水(洪水を防ぐことです)と利水(発電用水、農業用水、工業用水、あるいは飲用水として水を利用することです)だけでなく、新たに環境の整備と保全が、河川管理の施策に求められるようになりました。巨大なダムを造って自然を壊し、多くの人々から故郷(ふるさと)を奪い、コンクリートで川岸とか川底を固め、高い堤防を造って自然的景観だけでなく歴史的景観をも壊し続けてきた従来の河川行政に対する国民の強い批判に対応したものです。ヨーロッパ諸国では従来の施策の反省から、コンクリートの川岸を壊して、自然の流れを復元する試みが既になされていますので、日本でも遅まきながら環境に配慮しようということなのでしょうか。

 このように、河川法は大きく変ったのですが、行政の実態はといえば全く変っていません。つまり、従来通り、川は洪水をできるだけ早く海に流し出すものという考えに凝り固まっているようなのです。できるだけ多くの水を排出するのが川の役割であり、そのために川底を掘ったり、川幅を拡げたり、堤防を高くしたりする必要があると頑(かたく)なに信じているフシがあります。
 実は、国交省の頭が切り替わっていない明らかな痕跡(こんせき)がありました。
 斐伊川水系を含めた3つの水系の整備基本方針を定めるために、「河川整備基本方針検討小委員会」(委員長近藤徹(水資源開発公団総裁)以下、17人の委員で構成)が設けられていました。その第1回が開かれた平成13年11月27日のことです。委員会の席上国交省の事務局から、斐伊川水系の整備基本方針の原案が示されたのですが、委員の一人からクレームがつきました。原案に、大橋川を「宍道湖の排水河川である大橋川」とし、境水道を「中海の排水河川である境水道」としていることについてのクレームでした。
“宍道湖の排水河川である大橋川、中海の排水河川である境水道と書いてあるんですが、私の勉強したところでも、あれは排水河川ではないはずだと。確かに川の側から見たら洪水を出すということはそうなんですが、三保湾の海の水が出入りする非常に重要な役割を持っている川を排水河川というふうに位置づけていいのかと。”(小委員会議事録より)

 当然ともいえる委員の指摘に驚いたのでしょうか、平成13年12月19日に開かれた第2回の小委員会では“排水河川である”という文言を慌(あわ)てて削っています。ちなみに、この「整備基本方針」(案)は、昭和51年7月1日に出された「斐伊川水系工事実施基本計画」を見直し、新たに作成しようとしたものですが、以前の「工事実施基本計画」を見てみますと、“排水河川である”という文言は、大橋川にも境水道にも付けられてはいません。この間には河川法の大改正があったにもかかわらず、敢えて“排水河川”であることを新たに付け加えようとした国交省は、何か特別の意図を持っていたのでしょうか。あるいは、つい本音が漏れたといったところでしょうか。
 いずれにせよ、大橋川を単なる排水河川であると考えている(らしい)国交省の役人と、私達地域住民の考えには天と地ほどの違いがありますので、両者の話し合いがうまくからみ合うはずはありません。
(この項つづく)

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。
“字の意味を 知って仏人 ぶったまげ” -川崎、借人。
(毎日新聞、平成20年3月5日号より)

(『ホトケの××』の異名を奉られているある男。金を貸した相手をしゃぶり尽して、きまってホトケにしてしまう高利貸しでした。)

<今の松江>

 橋の街、松江。591を数える橋の中でも松江大橋は、王者の風格を具えています。(平成20年5月16日、撮影)
宇賀橋(北殿町) 稲荷橋(内中原町)
<左:宇賀橋(北殿町)> <右:稲荷橋(内中原町)>

扇橋(東本町) 千鳥橋(殿町)
<左:扇橋(東本町)> <右:千鳥橋(殿町)>

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