携帯 - コメント一覧 - 更新記録 - サイトマップ  

MA山根治blog

フォレスト・コンサルタンツ
icon HOME icon 会社案内 icon 冤罪を創る人々 icon 引かれ者の小唄 icon 経済事件ノート icon 山根治blog

江戸時代の会計士 -1 . はてなブックマーク  Twitter   2005-08-02

 恩田木工(おんだもく)、今から250年ほど前、信州松代(まつしろ)藩の財政建直しを殿様から命ぜられ、命がけで取り組んだ人物です。
 この人の名前が広く私達日本人に知られるようになったのは、かつて大ベストセラーとなったイザヤ・ベンダサンの「日本人とユダヤ人」の中で、恩田木工の言行録「日暮硯(ひぐらしすずり)」が大きく取り上げられてからのことです。

 当時16歳の若い藩主(真田幸豊)が、これまた若い末席家老であった39歳の恩田木工の人物を見抜き、全幅の信頼を寄せ、藩の財政再建についての全権を委任。
 このいきさつを詳しく伝え聞いた人が、“感歎の余り、日暮し硯に向ひ、ここかしこ聞き覚へしところ、反故(ほご)の裏に書きつけ”たのが「日暮硯」(ワイド版、岩波文庫)です。

 巻頭に、
“古語に曰く、一代の君有らば、又一代の臣下有りと。誠にこの言や。”
と述べ、家来の恩田木工だけでなく、白羽の矢を立てた年若い殿様、真田侯をも思い入れたっぷりに絶賛しています。
 イザヤ・ベンダサン(実は、山本七平さんのペンネームのようですが)は、恩田木工を日本人の典型として紹介し、政治天才と位置付けて高い評価を与えました。
 日本人は、ユダヤ人やヨーロッパ人から見れば夢想もできないようなやり方で、ものごとに取り組み、丸くおさめてしまう天賦の才能を持っている、しかも、当の日本人はこのことに全く気付いていない、と言うんですね。
 この背景には、「理外の理」とでも言うべき日本人に共通する考え方の基盤があり、恩田木工は財政改革という現実の場で、この「理外の理」を見事なまでに実践してみせたとし、更に、
“事実、これが日本人の行き方なのだ。-というのは、木工は一例にすぎないのだから。戦後の日本の、破産に瀕(ひん)した会社を立て直した記録を見れば、すべて「木工流」であるし、日本自体の復興の基本も、煎(せん)じつめれば、恩田木工の行き方にほかならないからである。”(「日本人とユダヤ人」角川文庫版、95ページ)
と言い切っています。

 イザヤ・ベンダサンの指摘が、果して正鵠(せいこく)を射ているものであるか否かは、とりあえずさておき、私達が自らを振り返ってみるための参考にはなるようです。
 更にベンダサンは筆を進め、恩田木工は二宮尊徳と並んでエコノミック・セイント(経済の聖者)であるとまで称え、決してエコノミック・アニマル(金の亡者)ではないと念を押しています。(前掲書、96ページ)

 このたび、改めて「日本人とユダヤ人」と「日暮硯」とを読み返してみました。
 恩田木工は一体何者であったのか、ベンダサンの言っていることは本当に的を射たものであるのか、これらのことを吟味するために、とくに「日暮硯」をじっくり読み込んでみたところ、理外の理どころか、極めて数理に明るい人物であることが判ってきました。
 いわば、江戸時代の会計士の姿が浮かんできたのです。

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。
“安酒を飲まぬ輩(やから)が税を決め” -大阪、土師角造。
(毎日新聞:平成17年1月4日号より)

(恩田木工は、一汁一飯、木綿着用で率先垂範。さて現代のお役人は?)

江戸時代の会計士 -1 (2005-08-02) . はてなブックマーク  Twitter  


関連するカテゴリー

前後のページ

このエントリーへのトラックバック

   [告知] ※トラックバックスパムが多いので、トラックバックの受付を停止いたします。(2006-08-08)


このエントリーへのコメント

   [告知] ※コメントの書き込みができない場合があるようですが原因を特定することができないので、コメントの受付自体を停止いたします。(2015-03-31)

[393] Re1: 江戸時代の会計士 -1 投稿者:匿名希望 2005-08-06 18:45:29
山根さん!

終わるのはまだ早いですよ!
セカンドステージが始まります!

ライブドアの子会社のターボリナックスが
ヘラクレスに上場されるんです!

またきな臭い匂いが漂って着ました。
ココで奮起しないと男じゃありません!

どうかお願いします。

Copyright©2004-2018 "Forest Consultants Co.,LTD". Powered by Nucleus CMS v3.65.