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ホリエモンの錬金術 -16 . はてなブックマーク  Twitter   2005-06-28

 ホリエモンの究極のソロバン勘定を明らかにするために、ライブドアの会社の価値を計算し、彼の所有する株式の価値がどのように変化していったのか考えてみます。
 ここでいう会社の価値とは、昨今のマスコミで盛んに飛び交っている株式の時価総額である「企業価値」のことではありません。
 まともな上場会社の場合には、おおむね「企業価値=株価×発行済株式数」と考えても差し支えないのですが、ライブドアについては、株価そのものが企業実体を反映していない架空のものからスタートしていますので、妥当ではないのです。
 しかも、上場以来まともな利益を計上していませんし、株価の形成も数々の怪しげな状況の下でなされていますので、この会社の価値については、清算価額をベースに考えることにします。
 つまり、ライブドアが解散した場合に会社にどれだけの資産が残るのか、この点にスポットを当ててみます。

 これまで述べてきましたように、ライブドアが公表している決算書は相当以上にいいかげんなもので、清算価額を算定するためにはかなりの修正をする必要があります。
 しかし、ここでは便宜上、ライブドアの公表数字をそのまま用いることにいたします。ホリエモンのソロバン勘定のカラクリを大筋において明らかにするには、それで十分だからです。
 次に示す表1は、ホリエモンがマジックを始めた平成11年8月4日以降の、会社の純資産(これを清算価額と見なします)と、株式数及び一株当り純資産の推移です。

(表1) ライブドアの「清算価額(企業価値)」の推移

No.
純資産(清算価額)
発行済株式数
一株当り純資産
1.平成11年8月4日
(株主割当後)
65,527千円
800株
81,908円
2.平成11年9月30日
(第三者割当後)
665,572千円
1,000株
665,572円
3.平成12年9月30日
(第一回公募後)
6,123,871千円
13,042株
469,550円
4.平成15年10月1日
(第二回公募後)
11,812,097千円
516,087株
22,887円
5.平成16年9月30日
(第三回公募後)
51,129,773千円
606,338,630株
84円
6.平成17年4月15日
(800億円MSCB転換後)
131,129,773千円
915,322,809株
143円
7.平成17年5月23日
(フジテレビ第三者割当後)
175,129,773千円
1,049,062,809株
167円

(注)6.及び7.の純資産は、平成16年9月30日現在の純資産に、それぞれ800億円、440億円を加えたものです。また、6.及び7.の発行済株式数は、平成17年5月23日にプレスリリースされた「株式会社ライブドア・パートナーズ株式譲渡および株式会社ライブドアへの第三者割当増資払込完了のお知らせ」のデータによっています。

 表2は、会社のPBR(株価純資産倍率)の推移です。

(表2) ライブドアのPBR(株価純資産倍率)の推移

No.
発行価額
一株当り純資産
PBR
1.平成11年8月4日
(株主割当後)
50,000円
81,908円
0.6倍
2.平成11年9月30日
(第三者割当後)
3,000,000円
87,965円
36.6倍
3.平成12年4月6日
(第一回公募後)
6,000,000円
6,830円
878.4倍
4.平成15年10月1日
(第二回公募後)
64,695円
22,887円
2.8倍
5.平成16年9月30日
(第三回公募後)
6,379円
84円
75.9倍
6.平成17年4月15日
(800億円MSCB転換後)
259円
143円
1.8倍
7.平成17年5月23日
(フジテレビ第三者割当後)
329円
167円
1.9倍

(注)2.と3.の一株当り純資産及びPBRは、それぞれ「ホリエモンの錬金術-7(※資料)」の資料E資料Fに示した修正値を用いています。

 表2は、会社のPBRが上場前の0.6倍に始まり、上場時のトリッキーな公募価格600万円で、ピークの874.4倍にまで跳ね上がり、上場後第一回目の公募増資時は、2.4倍と急落し、第二回目の公募増資時には、再び75.9倍と跳ね上がり、このたびのMSCBに基づく増資とフジテレビの増資時には、再度、1.8倍、1.9倍と急落していることを示しています。
 このPBRの、通常では想定しがたい極端な乱高下は、上場時の架空ともいうべき600万円の公募価格と上場後の人為的な株価維持によるものです。
 現在は、PBR1.9倍と形の上では全上場会社並になってはいますが、純資産の中味たるや、会社が自ら稼いだ利益金(内部留保)はゼロもしくはマイナスと考えられますので、ほとんど全てが株主による払込金なのです。上場会社としては極めて珍しいケースなのでしょうね。

 次に、それぞれの時点における、堀江さんの持株数とその清算価額との推移を示します。-(表3)

(表3) ホリエモンの持株の「清算価額(純資産)」の推移

No.
一株当り純資産
ホリエモンの持株数
左の清算価額
1.平成11年8月4日
(株主割当後)
81,908円
400株
32,763千円
2.平成11年9月30日
(第三者割当後)
665,572円
660株
432,277千円
3.平成12年9月30日
(第一回公募後)
469,550円
7,920株
3,718,836千円
4.平成15年10月1日
(第二回公募後)
22,887円
220,975株
5,057,454千円
5.平成16年9月30日
(第三回公募後)
84円
220,975,000株
18,561,900千円
6.平成17年4月15日
(800億円MSCB転換後)
143円
220,975,000株
31,599,425千円
7.平成17年5月23日
(フジテレビ第三者割当後)
167円
220,975,000株
36,902,825千円

(注)6.及び7.の堀江さんの持株数220,975,000株は、平成16年9月30日現在と変らないものと仮定しています。

 表3は、ホリエモンの持株の価値が、増資のたびにどんどん大きくなっていくことを示しています。スタート時点(平成11年8月4日)のホリエモンの持株の価値が32,763千円であったものが、その後の6回にわたる増資(MSCBを含む)の結果、36,902,825千円へと、実に1,126倍にもなっています。
 つまり、ホリエモンの持株の価値の増大は、もっぱら都合6回の増資に応じた投資家の資金によるものです。いわば平均原価法による富の移転とでも言えるもので、これこそ、ホリエモン錬金術のメカニズムを浮き彫りにするものです。トリックの種明しと言っていいでしょう。-(表4)

(表4) 平均原価法による富の移転

No.
a.発行価額
b.発行株数
払込金額(a×c)
払込金額の累計
換算株数(注1)
一株当り平均原価(注2)
一株当り払込金額(注3)
1.平成11年8月4日
(株主割当後)
50,000円
800株
40,000千円
40,000千円
800株
50千円
50千円
(-)
2.平成11年9月30日
(第三者割当後)
3,000,000円
200株
600,000千円
640,000千円
200株
640千円
3,000千円
(当初の60倍)
3.平成12年9月30日
(第一回公募後)
5,600,000円
1,000株
5,600,000千円
6,240,000千円
83株
5,761千円
67,469千円
(当初の1,349倍)
4.平成15年10月1日
(第二回公募後)
60,609円
80,000株
4,848,720千円
11,088,720千円
222株
8,497千円
21,841千円
(当初の436倍)
5.平成16年9月30日
(第三回公募後)
5,978円
6,000,000株
35,868,000千円
46,956,720千円
166株
31,921千円
216,072千円
(当初の4,321倍)
6.平成17年4月15日
(800億円MSCB転換後)
259円
308,984,179株
80,000,000千円
126,956,720千円
858株
54,522千円
93,271千円
(当初の1,865倍)
7.平成17年5月23日
(フジテレビ第三者割当後)
329円
133,740,000株
44,000,000千円
170,956,720千円
371株
63,317千円
118,599千円
(当初の2,371倍)




170,956,720千円
2,700株
63,317千円


(注1) 換算株数。No.3以降については、株式分割を勘案して、スタート時点No.1の株数に換算。
 No.3は12分割後、No.4は更に3分割、10分割がなされているため、12×3×10=360分割後、No.5はNo.4に加えて更に100分割がなされているため360×100=36,000分割後、No.6ととNo.7は、No.5に加えて更に10分割がなされているため、36,000×10=360,000分割後の株数が実際に発行された株数ですので、スタート時点の株数に換算しますと、
 No.3は、1,000株÷12=83株
 No.4は、80,000株÷360=222株
 No.5は、6,000,000株÷36,000=166株
 No.6は、308,984,179株÷360,000=858株
 No.7は、133,740,000株÷360,000=371株
となります。
(注2) 一株当り平均原価 = (払込金額の累計) ÷ (換算株数の累計)
(注3) 一株当り払込金額 = (払込金額) ÷ (換算株数)

 表4は、次のことを示しています。スタート時点の株数は800株で、その後6回にわたって増資がなされた結果、払込の伴なう発行済株式数は2,700株(スタート時点換算)となります。
 尚、現時点の発行済株式総数は、1,049,062,809株ですので、これをスタート時点の株式数に換算してみますと、

 2,914株(=1,049,062,809株÷360,000)

となり、表4の2,700株と714株の差異が生じます。この714株は、表1に掲げた2.~7.の増資以外のもので、払込の伴わない株式の発行(株式の交換)、および、通常よりも著しく有利な条件による株式の発行(ストックオプション)によるものです。
 これらのものは、ホリエモンの株の秘密を解明するためには、枝葉のものですので、ここでは捨象します。
 つまり、この5年余りの間に増資を重ねて、1,709億円の資金を資本として会社に取り込み、増資のたびに、ホリエモンの一株当りの投下資金50千円の評価額は、どんどん膨れ上がる仕組になっており、現時点では、当初5万円の1,266倍の63,327千円に達しているのです。
 増資の中でもキワ立っているのはNO.5の平成16年4月22日の公募です。ここでは、ナント、当初50千円の株式が、事実上216,072千円という値をつけて売り出されているのです。実に、4,321倍!! この時の増資は、違法の疑いが濃厚な株式の100分割の直後になされたもので、ホリエモンが敢行した増資の中でも最もウサン臭いものです。
 ちなみに、このたびのフジテレビが第三者割当で引き受けたのは一株329円でしたので、当初換算では一株118,598千円となり2,371倍です。
 このように、多くの出資者の増資による払込金(最大で、当初の4,321倍)が、ホリエモンの当初の一株当り50千円の株式の評価をどんどんつり上げているのです。私が平均原価法による富の移転と名づけた所以です。

 ホリエモンの富の増殖のカラクリは、判ってみれば実にたわいのないもので、小学生の算数レベルの計算がベースになっています。通算で36万分割もの荒技で、目クラマシをさせ、実態を判りにくくさせているだけのことです。ユーレイの正体見たり枯尾花といったところでしょうか。

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。
“ITはいろいろ手をだす略称か” -四街道、ういお。
(毎日新聞:平成17年3月30日号より)

(堀江さんは受験生向けの英語の本を出しているようです。中学受験用の算数の本も出されたらいかがでしょうか。)

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[311] Re1: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:連投した通りすがり 2005-06-28 10:46:03
>>309
山根さんの分析は先駆けにはならないと思います。ジャーナリズムの視点が全くないからです。

>>内容は、、ちゃんと読んで理解した上で「いい加減」と判断したのであれば
一つの受け止め方といえますが、フジ日枝、エフェクター金ヶ崎を山根さんが
「同世代だから擁護」しているなどと書いてあるのをみると、内容を理解して
いるようにはとても思えないです。

文章の最後に?が付いてますよね。妄想の可能性があるという意味で付けたつもりです。誤解されてしまったのなら残念です。しかし、世代の違いというのはやはり軽視すべきことではないと思いますが・・・。社会学的にも、結構重要だと思います。

>>310
自分が反論するには、ばかにされようが感情論に持っていくしかないからです。経済の知識を持っていないので。
名前や顔写真まで公開し、会社のHPに公開しているブログである以上、そこらの匿名ブログに比べて結構な影響力を持つのは確かでしょう?私たちの私見などとは違って私見に留まらない可能性があるわけです。山根氏同様、堀江氏の取った手法や価値観をブログ等で批判している有識者はいますが、やはり年配に多いのです。山根氏と全く同じ価値観を持ちうるというのなら、すごいことだと思います。
[313] Re2: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:連投した通りすがり 2005-06-28 12:44:35
堀江氏は、利益率の高い金融以外の分野は、あまり力を入れないと言っていたように思います。ポータルサイトをやっている以上、いろいろな事業に手を付けていかなければいかないのは必然?だと思いますよ。
数学なんか実社会では不要な知識でしょう。微積分だの確率だのベクトルだの会計やらには関係ないでしょう?電卓さえあればいいんじゃないでしょうか。
堀江氏の出した英語本ですが確かに人気ないですね。私も買ってませんし。
[314] Re3: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:ふぃね 2005-06-28 14:03:05
>連投した通りすがり
知識がないのなら反論できるはずもなく、また、感情論を以てして、物証を挙げて論じている山根氏に対抗できるはずもないのですよ。そもそも、あなたの一連の書き込みは「反論」ではなく、ただケチを付けているだけに過ぎません。なぜなら、山根氏が論じた内容についての書き込みではなく、論じ方を問題にしているだけだからです。それもまた、知識がないからこそそうせざるを得ないということなのでしょう。

高校を卒業したばかりということで、若さ故にホリエモンのような人間に興味を抱くのは仕方ないのかもしれません。ただ、少なくとも表面的なイメージだけで物事を判断することなく、理性的に具体的内容を伴った上で判断できるような人間になれるように勉強していければ、いずれホリエモンの実像が見えてくるかもしれません。
[315] Re4: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:連投した通りすがり 2005-06-28 16:01:57
>314さん

感情論は、結局論じた人物が最期に恥をかくだけ、ということが身に沁みて分かりました。あまりにばかばかしいと感じました。
見事なことに、おっしゃる通りです。
自分で言うのもなんですが、投稿することによって逆に勉強になりました。

ただ、個人的には堀江氏の合理的な考えや戦術などは、非常に参考になっています。

荒らしみたいなことをしたので、消えようと思います。
[316] Re5: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:マキューシオ 2005-06-28 19:39:31
うーん、みんなそんなことはわかった上でLD買ってると思いますよ。
自分が買ったのは200302の10何円の頃でした(現在株価で換算)。

Financial literacyの低い人間が食い物にされるのは、
仕方のないことなのではと思います。
[317] Re6: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:通りすがりはライブドアホルダー! 2005-06-29 00:13:37
通りすがりはライブドア株をホールドしているから必死に山根さん批判をしている。

間違いない!
[318] Re7: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:yes 2005-06-30 10:54:21
西武の会長でさえも逮捕された。
結局、ホリエモンの末路も想定範囲だろう。
大量の資産を宇宙旅行という名で海外にか。

マスメディアは何をしているのだろうか?
[319] Re8: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:ココロのボス 2005-06-30 21:05:46
>>317
一浪生のオコチャマじゃ、アホルダーにもなれないでしょ・・・いくら300円台で買えても、証券会社が相手にしないよ(w

それにしても、通りすがりクン、絵に描いたようなDQNキャラだよね。内容は無茶苦茶で厚顔無恥の鉄面皮も堂に入っているわけなんだけど、文体はその割にしっかりしているんだな(w

ワザとらし過ぎるんじゃない、画龍点睛を欠くってとこかな、こういう見え透いた小細工は、山根先生の分析には不用だよ、
[320] Re9: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:マニア 2005-07-02 13:37:09

ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル
[322] Re10: ホリエモンの錬金術 -16 投稿者:Lean & mean  2005-07-05 03:05:10
「犬が吠えてもラクダは進む」と言う言葉を噛みしめよう。
 我が国は法治国家に非ず、官治国家であるからだ。
 すなわち法を裁量する官僚を御した者の勝ち。
 くわえて、視聴率であれ、広告費の支払いであれ、結果としてマスメディアを押さえた方が勝ちという不文律がある。
 例えば昨日未明、自宅を放火された山岡俊介氏と武富士の因縁の対決を見よ。
http://headlines.yahoo.co.j...
http://straydog.way-nifty.c...
http://www.marimo.or.jp/~yu...

 山岡氏以外の人物の著作でも、武富士は仰天するような悪事が報じられている。
 しかしながら、東証は上場廃止など一切考えていない。

 以下は『武富士サラ金帝国の闇』一ノ宮美成著:講談社より

「ここで(武富士の)中川元課長が触れている宮崎学氏(グリコ・森永事件で有名になった作家)と警察の関係だが、公安調査庁と通じていることは、複数の出版物で、同調査庁の内部資料にもとづき、実名あるいは匿名で暴露されている。
 その内部資料を読む限り、宮崎氏は「反権力」の対極にある「公安のスパイ」と疑われても仕方がないだろう」
「大下英治氏とは功成り名遂げた著名人の伝記などを数多く著していることで知られる作家である。そんな作家がなぜ、北海道の釧路市までやってきたのか。
 その狙いは、直後に発売された「夕刊フジ」のキャンペーン記事でわかった」
 なんと2002年1月28日から2月6日付まで計七回、大下英治氏署名入りの武富士擁護記事が連載されたのである。

 我が国では違法手段であろうと、金を握ってばら撒いた方が勝ちなのである。

 「犬が吠えてもラクダは進む」

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