携帯 - コメント一覧 - 更新記録 - サイトマップ  

MA山根治blog

フォレスト・コンサルタンツ
icon HOME icon 会社案内 icon 冤罪を創る人々 icon 引かれ者の小唄 icon 経済事件ノート icon 山根治blog

トヨタの蹉跌-2 . はてなブックマーク  Twitter   2010-03-02

 久しぶりの名古屋。駅近辺が様変りになっていた。とりわけ、ミッドランド・スクエアにあるトヨタの名古屋オフィスの豪華さには目をみはった。駅ビルにある高島屋、名古屋マリオット・アソシア・ホテルと同様に、バブルの印象が残った。さしずめ、バブルの塔といったところだ。かつて「ホリエモンの錬金術」を書いた時、ライブドアが入居していた六本木ヒルズを見物しに行った時と同じ印象である。自動車メーカーの本拠地、あるいはショールームとして強烈な異和感を覚えたのである。成り上がりの経営者が、不相応な本社ビルを建てるのと変るところがない。

 今から三年前、私はそれまで乗っていたセルシオからレクサスに買い換えた。セルシオで十分満足していたが、生産を打ち切ると言われてやむなくレクサスに切り換えたいきさつがある。
 レクサスの販売店に行って驚いた。豪華な建物にまず驚き、バーかクラブを思わせる接客ぶりにのけぞってしまった。ゆったりした応接ルームに通されて、突然片ひざつきで応接されて面食らった。女性だけではなく男性も同様であったため気持ちが悪くなった。ホストクラブじゃあるまいし。

 三年前といえば、トヨタが24兆円の売上を達成し、純利益(税引前)が2年連続で2兆円を超える2兆4,000億円を稼ぎ出した年である。トヨタとしては対外的には得意の絶頂期であった一方で、すでに経営分析(「100年に1度のチャンス -23」)で示した通り、内情としてはキャッシュフローに難があり、資金繰りが相当以上に逼迫していた時期でもあった。
 ただ、この時にはまだトヨタの決算書に目を通していなかったため、世間の風評通り、資金が潤沢なゆとりのある会社であると漠然と考えていた。このために、華美すぎる販売店と過剰な接客マナーに面くらいながらも、余計なことに金を使うオカシナ会社になってしまった程度の印象しか残らなかった。
 ところが、些細なことからトヨタに対して不信感が生じてしまった。その経緯は次の通り。
 トヨタは、レクサスを国内で展開するに際して、レクサス・グッズと称する小物類を扱い出した。それらが販売店に展示されており、デザインが気に入ったので一つだけ購入した。手の平に乗るほど小さい丸いアロマ・デフューザー、一個3,000円。買ってからいじくりまわしていたところ、メイド・イン・チャイナの文字に気が付いた。中国製である。

 私が不信感を覚えたのは、単に中国製であったからではない。一個3,000円という値付けに対してである。
 このアロマ・デフューザー、小さなモーターが組み込まれているため、それなりのコストはかかると思われるものの、中国製である。私はこの調達コストを200円以下と踏んだ。これを3,000円で売っているのであるから、調達コストの15倍である。荒利益率にして90%を超える。暴利である。
 一般の会社が売り出したのであれば、私は必ずしも暴利であるとは考えない。品格に欠けた三流の会社が、消費者の無知に乗じて荒稼ぎしていることもあり、健康食品とか化粧品などこれ以上の荒利のものも珍しくはないからだ。ただ、このようなものを一流の車メーカーとしてのトヨタが堂々と売り出したことから異和感を感じたのである。

 私が長年トヨタ車を乗り回しているのは、乗り心地がよく安全であると信じていることに加え、アフター・ケアがしっかりしていると信じてきたからだ。それ以外の理由はない。私が乗っているレクサスは本体価格が800万円ほどのものであり、その調達コストは4分の1位、つまり200万円位であろうと考えている。荒利益率にして75%である。私は、このことを承知の上で購入し、十分に納得しているのである。そこには、長年の研究開発の成果であるノウハウがギッシリと入っていると信じているからであり、アフター・ケアの追加コストを考えると当然の値付けであるとさえ考えている。
 ところがアロマ・デフューザーにはそれがない。デザインが独自のものであるだけで、トヨタのノウハウなど関係はないし、使い捨てであるからアフター・ケアも関係ない。プラスチックの容器、モーター、電池なども他から集めてきただけの組立品であり、ポッと出の中小企業でもできるものだ。技術など無関係である。

 トヨタは、レクサス・グッズによって、レクサス・ブランドを広めようとしたようであるが、このように怪しげなものが一つでも混入していると、逆にブランドに大きく傷がつくのではないか。何よりも、会社が利益第一主義に走っているというイメージを与えかねないものだ。イメージ戦略としては落第である。
(この項おわり)

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。
“売る方にとってはまさに福袋” -鶴岡、本間成美。
(毎日新聞、平成22年2月23日付、仲畑流万能川柳より)

(見切り品をかき集めたり、不良在庫をさばいたり。)

トヨタの蹉跌-2 (2010-03-02) . はてなブックマーク  Twitter  


関連するカテゴリー

前後のページ

このエントリーへのトラックバック

   [告知] ※トラックバックスパムが多いので、トラックバックの受付を停止いたします。(2006-08-08)


このエントリーへのコメント

   [告知] ※コメントの書き込みができない場合があるようですが原因を特定することができないので、コメントの受付自体を停止いたします。(2015-03-31)

[1774] Re1:トヨタの蹉跌-2 投稿者:国土計画 2010-03-02 11:33:25
いよっ!待ってました!
と言いたいところですが
3000円のレクサスグッズって・・・。
ホンダなんかASIMOソフビ人形一体
2100円で売り捌いてますよ。
それにしっかり買っているトコが
お茶目ですね。
第3話が楽しみです。
[1775] Re2:トヨタの蹉跌-2 投稿者:丁野四郎 2010-03-03 17:49:24
80年代末のバブル直前頃、自動車一台売って粗利益4万円と
大前健一氏らに馬鹿にされていた頃が懐かしいですね

Copyright©2004-2017 "Forest Consultants Co.,LTD". Powered by Nucleus CMS v3.65.