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東京地検特捜部も断末魔(だんまつま)に-①
18-12-20
 カルロス・ゴーンが、金融商品取引法違反で逮捕された。再逮捕までして勾留しているのは東京地検特捜部。
 世界中が大騒ぎしているこの逮捕・勾留劇-どこかおかしい。強烈な違和感がぬぐえない。
 何故か?何がおかしいのか?それは、刑法と刑事訴訟法の基本が無視され、ただ単にカルロス・ゴーンを社会的に抹殺(Character Assassination)するためになされたことが明らかであるからだ。東京地検特捜部の断末魔(注1)の仕業(しわざ)である。断末魔に陥っているのは、国税庁だけではなかったということだ。 
 カルロス・ゴーンに関しては、20年近く前に、「コスト・カッター」なる異名(注2)を携えて日産に乗り込み、短期間で日産を奇跡的に回復させたと評価されてきたのは事実である。
 私は当初から、日産に乗り込んできたおかしな人物が、一体何をやるのだろうか注視していた。
 今から7年前の山根治ブログ「400年に一度のチャンス-号外4(カルロス・ゴーンとは何者か?」で、日産の過去5年分の有価証券報告書をネットから引っ張り出して分析している。
 分析結果は、以下の通り。
『その結果判明したことは、⽇産の財務状況が無残としかいいようのない現状でした。
 なるほど、平成20年3⽉期末の純資産(資産の合計から負債の合計を差し引いたものです)は、帳簿の上では3兆8,494億円(●連結)もあることは事実ですが、制度会計のワクを外してその実態を⾒てみますと、純資産は蛻(もぬけ)の殻(から)どころか、⼤幅なマイナスになっているおそれさえあります。このことは、現実の経営の上では資⾦繰りに直接影響を与えているはずです。実際のところ、⽇産⾃動⾞はリーマン・ショックの⼀年以上も前からお⾦のやりくりに四苦⼋苦していたであろうことが財務諸表から読み取れます。
 つまり、現在の⽇産⾃動⾞は、資⾦繰りの点から、⾃主的な再建が極めて難しい状況にあると思われます。10年前に鳴り物⼊りで⽇産⾃動⾞に乗り込んできたカルロス・ゴーン⽒は、⼀体何をしたのか、またそこから浮かび上ってくるカルロス・ゴーンなる⼈物とは⼀体何者なのか、客観的な数字によって明らかにいたします。数字が語る、カルロス・ゴーンの実像や如何(いかん)といったところです。』
 以上のように、20年ほど前から一貫して私は、会社経営者としてのカルロス・ゴーンは、かなりいかがわしい経営者に位置するものとみている。
 しかし、だからといってそのような人物に対して何をしてもいいということにはならない。日本が法治国家の建前をとっている以上、いかなる人物に対しても、法の適用は、公正かつ平等であるべきである。厳格性が要求される刑法(カルロス・ゴーンの場合は、行政法である金融証券取引法の中に組み込まれた特別刑法)の場合はなおさらだ。
(この項つづく)
(注1)断末魔。だんまつま。(末魔は、梵語marman支節・死穴と訳す。体の中にある特殊の支節で他のものが触れれば激痛を起して必ず死ぬという。)息を引き取るまぎわの苦痛。-広辞苑。
(注2)異名。いみょう。そのものの特徴をよく表わすもの(美的表現)として、実名・本名以外に付けられた呼び名。あだな・愛称・美称など。-新明解国語辞典
 ―― ―― ―― ―― ――
 ここで一句。
”カリスマの終わりを告げる 鐘ゴーン” -平塚、平蔵
(毎日新聞、平成30年12月6日付、仲畑流万能川柳より)

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