B/Cの値が全国で最大の値を示している、宮城県の
について、改めて考えてみることにしましょう。
この河川改修事業では、
費用(C)が89億円に対して、便益(B-3)が1兆1,056億円
と計算されており、B/Cの値として124.7(124.2の誤植でしょうか)が示されています。
この事業の
年便益(B-2)を逆算してみますと、
となりますので、投入資金である89億円が、ナント一年以内どころか2ヶ月強で回収されてしまうことを意味しています。(494億円÷89億円=5.55回転、12ヶ月÷5.55回転=2.16ヶ月)
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水増したインチキの経済効果を堂々と公表し、治水事業を継続する根拠としているのは、斐伊川水系だけではありません。どうも国交省河川局が全国的に統一してゴマかしているらしいのです。国交省出雲河川事務所だけではないということです。
総務省が公表している『
個別公共事業の再評価結果一覧』(平成16年3月29日省議決定)の中の、河川事業とダム事業のところを見てみますと、眼を疑うようなことが明らかになります。
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国交省がこの治水工事の経済効果(つまり総便益ということです)として公表している2兆658億円が、実際にはありえない架空の数値であることを論証するのに、まず、経験則(経験則。経験的事実に基づいて得られた法則のこと。-広辞苑)に照らしてみます。
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年便益(B-2)をもとにして、総便益(B-3)を導く計算式は次のとおりです。(『マニュアル』P.41)
- bt: t年における年便益
- r: 割引率(0.04とする)
- S: 整備期間(年)
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費用便益の比率(B/C比率)は、
粉飾された2兆円-1で説明しましたように、費用(C、コスト)と便益(B、ベネフィット)との比率です。国交省は、この治水事業の費用を6,047億円、便益を2兆658億円とし、その比率として、3.42の値を公表している訳です。
費用として提示されている6,047億円についてもよく見てみるとオカシナ点がいくつかあるのですが、結果的にはさほどの影響がありませんので、ここでは一応正しいものと考えることにいたします。問題なのは便益として提示されている2兆658億円という数字です。この値について、『マニュアル』の考え方に添って吟味し、現実にはありえない数値であるだけでなく、論理的にも矛盾する数値であることを示します。
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テーマの背景についての説明はひとまず終え、2兆円という数字を何故インチキであると判断したのか、その説明に移ります。
私が注目した公文書は、
と題された一枚でした。
これは、30年ほど前から続けられてきた斐伊川水系の河川整備事業について、費用対便益分析(B/C分析のことです)を行った結果を示したものです。
そこでは水系全体のB/C分析の結果は、総費用(C)が、6,047億円であるのに対して、総便益(B)が、20,658億円(2兆658億円)であるとされ、
B ÷ C = 20,658億円 ÷ 6,047億円 = 3.42
として、B/C=3.42の値が示されています。
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これまで私達地域住民は、大橋川改修工事について国交省から説明を受け、何度となく話し合いをしてきました。実際に話し合いをしてみて痛感するのは、双方の話がスレ違い、全くかみ合わないことです。いくら私達地域住民の立場を理解してもらおうと思って話し合いに臨んでもノレンに腕押し、国交省側としたら単に「聞くおく」といった程度です。
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このように、私達松江市民の多くは、宍道湖(しんじこ)と中海という2つの汽水湖を有機的につないで、いわば扇の要(かなめ)となり、水郷松江にとって大きな役割を果している大橋川に対して、限りない愛着を抱いてきました。
国交省は、そのような大橋川を単に治水という目的のために、地域住民の意向を無視して勝手にいじくり回そうとしているだけではありません。あろうことか、川の名の由来ともなっている「松江大橋」(私達は“大橋”と呼んでいます)を壊し、川幅を拡げて新しく付け替えるというのです。島根県にとって未曾有といわれた昭和47年の大洪水のときでも、あるいは一昨年の洪水のときでもビクともしなかった橋です。補修と補強をしていけばまだまだ十分活用できるのです。それを壊してしまうというものですから、私のように生れてからこのかた60年以上もこの橋の近くで生活し、この橋にすっかりなじんでいる者にとっては、家の中にズカズカと土足で踏み込まれたような思いです。

<大橋南岸よりの眺望>
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2兆円という数字が何を意味するのか、あるいは国交省がインチキをしている(らしい)と断ずるのは何故であるか、とんでもないインチキのカラクリを述べる前に、現在私達松江市民が心の底から守り通そうとしている「大橋川」、つまり、河川改修の俎上(そじょう)に乗せられている、水郷松江のシンボルとも言える「大橋川」と松江市及び松江市民との関わりについて説明いたします。

<松江大橋北詰からの大橋川の眺め>
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この2兆円というトホウもない数字、実は国土交通省が私の地元で推し進めている、6,000億円規模の治水事業の経済効果として公表されている金額です。前回お話したB/C(ビー・バイ・シー)比率のB(ベネフィット)に相当するものです。
この大規模な事業は、島根県出雲地方の中心を貫く斐伊川水系の治水事業として計画され、2つのダムと放水路と河川改修の3つの事業からなるとして、国交省は「三点セット」と言い慣わしています。
このうちの河川改修こそ、現在松江市民が直面している大きな問題で、その内容は、私が住んでいる松江市の真中を流れている大橋川を改修しようとするものです。地域住民の多くがこの大橋川改修工事に疑問を抱いており、なんとしても事業を推し進めようとしている国交省、島根県、松江市と地域住民との間に大きな溝ができているのが現状です。
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道路特定財源をどうするか、とくに今年の3月31日で期限切れになる、ガソリンとか軽油にかけられている暫定税率をどうするのか、について国会で与野党が激突し、最近の国会としては珍しい位真剣な議論がなされたようです。その際に、一般にはなじみの薄い言葉がさかんに飛びかっていました。
ビー・バイ・シー(B/C)
という言葉です。
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次に、ホリエモンこと堀江貴文氏について一言。これは意見というより、私の憶測です。
堀江氏は、2005年7月にライブドア株を大量に売却し、142億円余りの資金を手に入れています。「
ライブドア監査人の逮捕-6」の(8)で記したところです。
当時、この株式売却については様々な憶測が流れていました。選挙資金を用意するためであるとか、かねてから考えていた宇宙ビジネスに乗り出すためであるとか、賑(にぎ)やかなことでした。しかし、それらは全て堀江氏本人が意図的に流したものであったのではないか。真のネライを隠すために、もっともらしいことを言い触らしていたのではないかと私は見ています。つまり、カムフラージュということです。
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まず、公認会計士である田中慎一氏が、ライブドアの監査人を引き受けた後に、ライブドアのブラックボックスとなっていたファンドの実態を解明したことについては、“盗み見”という調査手法には必ずしも賛同できないとしても、結果的に隠蔽されていた事実が明らかになった点は評価すべきでしょう。更に、その結果をライブドア側に突きつけて、ファンドの解散を要求し、実際に『M&Aチャレンジャー、VLMA1号、VLMA2号のファンドは、2005年7月に解散され、自己株を使った錬金術は二度とできなくなった』(“告白”、P.157)こと、その上に、二度と再びインチキ・ファンドを使った錬金術を行なわないことをライブドア側に約束させていることは、監査人として立派なことであり、高く評価すべきです。
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<ライブドアの決算とお金をめぐるドタバタ劇2>(「ライブドア監査人の逮捕 5」から続く)
(5) フジテレビとニッポン放送をめぐってドンパチをやっていたとき、プラスアルファの資金繰りのメドがたたず、ライブドアの資金繰りは逼迫(ひっぱく)していました。2005年2月から同年4月にかけてのことです。ライブドアが資金繰りに窮していたことについて私は、「
ホリエモンの錬金術-5」で次のように指摘していました。
“もっとも、ライブドアはその前に資金繰りの面で深刻な事態に直面する可能性があります。会社の手許流動性は、現在想像以上に悪くなっているはずで、外部からの新たな資金の手当ができなければ、今までの矛盾が一気に吹き出してくるでしょう。”
この時の情況を宮内亮治氏は次にように述べています。
“「もう詰んでるのに(将棋の)穴熊をつくっても仕方ないでしょう」
こう堀江はテレビなどで繰り返し、フジテレビやニッポン放送を挑発したが、村上元代表に逃げられ、資金繰りは苦しく、詰みそうなのはライブドアだったのである。
(中略)
ライブドアは、電撃的な奇襲作戦で巨大グループに立ち向かった。だが、その「次の一手」がなく困っていたところ、フジテレビ側が勝手にこけてくれた。“(“虚構”、P.93)
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ライブドアと堀江貴文氏が上場以来、会社の決算とお金に関して監査人を交えて演じた、ドタバタ劇について、ザッと振り返ってみますと次にようになります。ここでは、ライブドアの内部関係者である二人の人物がそれぞれ出版した本の記述といくつかの客観的な事実をもとにまとめることにいたします。それぞれの本は、
- 宮内亮治「虚構-堀江と私とライブドア」(講談社、2007年3月)
- 田中慎一「ライブドア監査人の告白」(ダイヤモンド社、2006年5月)
の二冊です。以下、1.を“虚構”、2.を“告白”と呼ぶことにします。
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このたびの田中慎一会計士の逮捕容疑は、パチンコ情報会社の「梁山泊」グループによる相場操縦事件にからむものです。会社を買収するのに、いいかげんな評価をして会社の価値を大幅に水増しした査定書を作成したとされています。このグループは、さほど価値のない会社をもっともらしく見せかけて、株式交換の手法を使って買収(M&A)し、マスコミに鳴り物入りで宣伝しては、「アイ・シー・エフ」という上場会社の株価をつり上げて、そのドサクサに乗じて不正な利益を手に入れた、というもので、新興市場を舞台に繰り広げられた「錬金術」が断罪されようとしているようです。
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その著書の中で、なんともカッコよく、会計士を廃業すると大ミエを切っていた田中慎一会計士に対して、なんとなく胡散(うさん)臭いものを感じ取ったのは、前回述べたように、自らが逮捕されるかどうかの危機的状況の中とはいえ、他の関係人の迷惑をもかえりみずに、もっぱら検察の言いなりになってインチキのシナリオであっても全面的に協力すると、アッケラカンと公言していたからでした。
そこに、田中会計士逮捕の報道がなされ、肩書が「公認会計士」のままになっていましたので、違和感がよみがえることとなり、不審に思うに至ったのです。
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田中慎一会計士は、その著書「ライブドア監査人の告白」の中で、
“私は港陽監査法人の解散のときをもって、1998年から保有してきた公認会計士の資格を返上することにした。弁護士の先生や南検事からは「なにも資格を捨てることはないんじゃないですか」と言われたのだが、自分なりのケジメをつけなければいけないと考えたので、供述調書にも「ライブドア事件を契機に公認会計士の職に終止符を打つことにした」という文言を入れてもらった。”(同書、P.214)
と述べ、その理由として、
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ライブドアの監査を担当していた公認会計士の田中慎一氏が、「ライブドア監査人の告白」と銘打って、一冊の本を出版したのは、2年ほど前の平成18年5月のことでした。
当時、ライブドアと堀江貴文氏に対する強制捜査について、一部のマスコミ、あるいは有識者を自任する人達の間で、国策捜査ではないかとか、あるいは、万引のような微罪(粉飾決算は微罪だそうです)で死刑といった、およそピント外れの誤った議論が横行していました。そのような中で、誰よりも事件の内実をよく知る立場にあった、監査人が“告白”するというのですから、俄然(がぜん)私の興味を引いたのです。(“
ホリエモンの弁解術-3”)
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巷間、「北野税法学」と呼称されているものの集大成が、この「税法学原論」第六版です。税金に関する本は、それこそ掃いて捨てるほどたくさん出版されていますが、そのほとんどはハウ・ツーもので、しかも、税務当局寄りのものが圧倒的多数を占めています。つまり、どのようにしたら税務当局に認めてもらえるかといったことに汲々(きゅうきゅう)としており、税務当局の顔色をうかがいながら、それこそ微に入り細をうがつ枝葉の記述に終止しています。
これに対して、北野弘久先生の「税法学原論」は全く異なったものです。その最大の特色は、税務当局に対抗する納税者の立場から税法を捉えようとされていることです。
先生は、同書の初版の序文において、いわば納税者側の権利立法としての税法について次のように述べておられます。
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